第52幕/よくある話。
困ったな。ネタが思い浮かばない。
いや、ちと違う。思い浮かぶのだが、ちゃんとした話にまとまらない。思いついてもよくある話しかないのでは意味がない。
締切が近いのに、これでは間に合わない。仕事場で使い慣れたPCを前に、私は頭をかきむしるしかない。ないない尽くしだ。
しかたなく、“いつものネタ搾り”と私が呼んでいる方法に訴えることにした。
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困ったな。ネタが思い浮かばない。
いや、ちと違う。思い浮かぶのだが、ちゃんとした話にまとまらない。思いついてもよくある話しかないのでは意味がない。
締切が近いのに、これでは間に合わない。仕事場で使い慣れたPCを前に、私は頭をかきむしるしかない。ないない尽くしだ。
しかたなく、“いつものネタ搾り”と私が呼んでいる方法に訴えることにした。
ええと、言葉は解るんだよな?
「おお」
そうか、なら一応はコミュニケーションができるって事だ。あくまで偶然の一致だったんだと思う。いいかい、ここが肝心だ。僕らは、そうしたいと思ってやったんじゃないんだ。そこんとこを肝に銘じておいて欲しいんだ。いわば、過失…になるのかな。
22世紀も終わりの頃。人類はいまだ宇宙で孤独だった。
初の恒星間探査のための宇宙船が木星の衛星カリストの軌道上で組立を終え、ついで遠心力を利用した巨大な居住ブロックの回転テストも順調だった。
原理は原始的だが、宇宙船で安定した1Gを再現し飛行士たちが長期に渡る宇宙生活を健康に送るには不可欠なシステムだった。
そしていよいよ星の海をめざして太陽系を離れるべく、プラズマエンジンに火を点そうとしていた時のことだ。

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